【専攻科(1級自動車整備士養成課程)1年生による新技術発表会を開催しました】
1月15日(水)、専攻科(1級自動車整備士養成課程)1年生による新技術発表会が開催されました。発表会には佐藤 学長をはじめ、多くの先生方、そして専攻科2年生や、4月から専攻科に進学する自動車工業科2年生たちも参加しました。
発表テーマは「プレチャンバープラグ」「アクティブエアロダイナミクス」「アクティブグリルシャッター」の3件です。これらのテーマは学生自身が決定し、論文やインターネットを駆使して、構造や機能、制御の特徴などを詳細に調べ、発表用にまとめたものです。
トップバッターの阿部 和希 君(羽黒高校出身)は『プレチャンバープラグ』について発表。スパークプラグの中心電極および接地電極の外周を覆う副燃焼室(プレチャンバー)を設けたプレチャンバータイプについて報告しました。NGK製とHKS製を比較しながら、構造や性能について解説。エンジンの圧縮行程でシリンダ内に形成された混合気の一部が副燃焼室へ押し込まれた後、燃焼行程でスパークプラグに点火されると、火炎が副燃焼室の小さな噴口から勢いよく噴出し、残りの混合気に伝播して高速燃焼が実現します。既存のスパークプラグと交換するだけで、高出力・低燃費・有害排気物質の低減が可能となるため、今後の商品開発に注目です。
次に、モータースポーツが大好きな佐藤 周平 君(新潟北高校出身)は『アクティブエアロダイナミクス』について発表。2026年からの『F1』では、レギュレーション変更に伴い、エアロパーツが進化します。リアウィングなどのボディパーツを積極的に可動させ、ダウンフォースの発生や、ブレーキやエンジンの冷却性能を向上させ、マシン全体の性能を高める技術です。あの天才F1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイがレッドブルからアストンマーティンへ移籍したこともあり、2026年からのF1レギュレーション変更に大きな注目が集まっています。佐藤 君は、ポルシェで採用されている可動式リアウィングやエアフラップを例に技術解説しました。
最後は、旧車が大好きな渋川 竜之介 君(会津学鳳高校出身)で『アクティブグリルシャッター』について発表。老若男女問わず大人気の『AE86』(カローラレビンの前期APEXグレード)に採用されていた『エアロダイナミックグリル』をイメージする方も多いかもしれませんが・・・その現代版です。現在では、レクサスなどのフロントグリル後方に取り付けられています。例えば、ハイブリッド車はエンジンを停止させてEV走行が可能となります。しかし、気温が低い時や冬期の暖房使用時にはエンジンの暖機時間が長くなり、燃費が悪化する原因になります。そこで活躍するのが・・・開閉することでエンジンの温度管理に貢献するシャッターなんです。時代は繰り返すんですね(笑)。
発表終了後は、先生方や学生の皆さんから活発な質問があり、有意義な発表会となりました。最後に佐藤 学長より総評をいただき、記念撮影を行いました。 専攻科1年生の皆さん、お疲れ様でした。